美しいテールを身にまとい、優雅に水中を舞うマーメイドスイム。適切な息ごらえの呼吸法や所作を磨き、その一瞬を写真として切り取ったり、マーメイドショーに出演することのできるで水中表現です。近年国内のマーメイドスイム人口も増えつつある中で、改めてその魅力について、 SSIのマーメイドスイム講習を行う団体「Nagisa Mermaid Club」代表の後藤渚さんにマーメイドスイムの魅力について伺いました。
マーメイドスイムとは?世界・アジアの広がり
マーメイドスイムは、見た目の装いだけではなく、呼吸・姿勢・浮力といった水中スキルを伴う表現活動です。海外、とりわけ中国・シンガポール・台湾では、職業としてのマーメイドが確立しており、練習や安全基準、マーメイドショーへの出演要件(地域によってはライセンス保持を出場条件とするショーも一般的)が運用されています。
「日本でも関心は着実に広がっており、ステージで「見てもらう」喜びを伴う新しい水中表現として注目を集めています。今後、仕事としての基準や出演条件が整備されていけば、キャリア志向の参加者や活躍の場はさらに拡大していくと考えています」。(後藤渚さん)


Nagisa Mermaid Clubとは?
Nagisa Mermaid Clubは、東京を拠点とし、ダイビングインストラクターの後藤渚さんをはじめ、スタジオ経営者・会社員・振付師など本業を別に持つメンバー(全員がSSI「マーメイドインストラクター」取得済み)が運営する団体。所属はSSIダイブセンター「ピースドルフィン」に置き、初めてのマーメイド体験からマーメイドショーという発表の場までを一貫してサポートしています。また、 Nagisa Mermaid Club では、
団体問わず「マーメイド」のCカードのみをお持ちの方にSSI「ベーシックフリーダイバー」受講を推奨しています(※)。このコースで、呼吸法やブラックアウトなど安全に関する基礎知識を身につけていただいています。
※団体問わず、すでに SSI「ベーシックフリーダイバー」以上のライセンスをお持ちの方は受講不要
「水中でのアクティビティには必ず危険性が伴います。特に呼吸法やブラックアウトの情報は断片的になりがちです。だからこそ「ベーシックフリーダイバー」コースを受講いただき、ご自身の身体を自分で守れるスキルをまず身につけていただいています」。(後藤渚さん)
マーメイドショーの魅力。“発表の場”が成長を加速させる
Nagisa Mermaid Club が主催するマーメイドショーは現在、千葉みなと(K’s Harbor)(千葉県千葉市)などで継続開催。出演はギャランティを得る仕事というより、施設利用料などの実費を負担してでも立ちたい“発表の場”としての意味合いが強いといいます。

「クラブには約30名が所属し、半数ほどがショーに出演しています。所属外の方でも、定めたスキル基準を満たせば出演可能です。振付と演出は主にクラブ所属の振付師が担い、同じ深度・同じ所作をそろえるための規定練習を重ねています」。 (後藤渚さん)
「中には、泳げなかった状態からスタートし、2年でステージに出演するまでに成長された方もいらっしゃいます。2023年6月にクラブに初来訪し、翌月にライセンス取得。2024年8月にはオープンウォーターで経験を積み、2025年9月にショー出演を果たしました。最初は水中での身体の動きがぎこちなくて、思い通りに進めませんでした。それでも、練習を重ね、約2年で他のマーメイドたちと同じ深度・同じ動きをそろえられるようになり、ステージに立てるようになりました」。(後藤渚さん)
マーメイドスイムにおける自己表現としては、見られる前提で所作・泳ぎの姿勢・ポージング・表情を磨ける点が特徴。撮影だけで完結するのではなく、“見てもらう→フィードバックを得る→また磨く”という循環が生まれ、上達とモチベーションが加速することが、マーメイドスイムのおもしろさのひとつでもあります。
協力: Nagisa Mermaid Club(なぎさマーメイドクラブ)

関東を拠点に活動するマーメイド・パフォーマンスチームです。千葉みなと・ケーズハーバー内レストランの大型水槽で定期的にショーを行っており、2026年も公演が予定されています。公式SNSでも活動情報を発信しており、最新の出演動画はYouTubeで公開されています。公演の様子や今後の予定は、各SNSや案内ページをご確認ください。

