2025年6月27日 、世界的なスポーツ用品メーカーであるHEADグループは、AQUALUNGグループの買収を正式に発表しました。
2025年6月26日、ニース商事裁判所の判決により、2025年5月16日付で経営破綻し管財人の管理下に置かれていたAQUALUNGグループの救済入札において、HEADが落札者として正式に認定されました。
HEADは、ウィンタースポーツ、ラケットスポーツ、スポーツウェア、ウォータースポーツといった既存事業ポートフォリオを基盤に、今回の取引により、MARES、SSI、rEvo、LIVEABOARD.COM、ZOGGSといった既存ブランドに加え、ウォータースポーツ分野におけるブランド拡充を実現し、同分野での存在感を大きく強化することになります。
HEADはAQUALUNGグループの事業基盤の再構築を計画しており、緊急資金の提供により事業の継続と長期的な安定性を確保します。今回の救済パッケージには、5,000万ユーロ以上の資金提供と、シナジー効果を見込んだ包括的な統合計画が含まれており、数百人の雇用が維持されるほか、フランス・イギリス・メキシコにあるAQUALUNGの生産拠点も改善・拡大される予定です。
この買収により、HEADとAQUALUNGという2つの象徴的企業が統合し、ウォータースポーツマーケットにおける世界的なリーダー企業が誕生します。両社は、安全性、技術力、革新性、快適性、デザイン性、パフォーマンス、そしてスポーツと水中探検への情熱という共通の価値観を持っています。
HEADは、AQUALUNG、APEKS、AQUASPHEREブランドの維持と強化を行い、特に成長中の軍事・プロフェッショナル部門の戦略的拡充にも注力していく計画です。
また、AQUALUNGグループの製造能力を活用し、HEAD製品の世界的な製造および流通の強化も視野に入れています。両社の専門知識を統合することで、マーケットリーダーとしての地位をさらに加速させ、水中スポーツへのアクセス拡大という新たなチャンスを創出していきます。
AQUALUNGグループは、1943年にジャック・クストー船長と技師エミール・ガニャンによる「アクアラング」の発明を契機に設立された、スクーバダイビング器材のパイオニアです。90カ国以上で製品が流通しており、レクリエーショナルダイバーのみならず、軍やプロフェッショナルの現場でも信頼されています。
MARESは1971年にHEADに買収され、現在では革新的な製品を持つスクーバ市場のリーディングブランドに成長しました。
SSIは2014年にHEADにより買収され、ヨーロッパでNo.1のダイビング認定機関となり、売上も買収以来2倍以上に成長しています。
ZOGGSは、オーストラリア発祥のスイムブランドで、2020年にHEADにより買収され、グローバルネットワークを活かし急速かつ国際的な成長を遂げています。