「スカンジナビア号」のトークイベントを5/17沼津市で開催。SSIダイブセンターの「スティングレイ・ジャパン」も登壇

35年以上にわたり静岡県沼津市西浦木負沖に係留され、ホテル兼レストランとして親しまれてきた「スカンジナビア号(旧ステラ・ポラリス)」。その船が現在、和歌山県潮岬沖の水深72mに沈んでおり、再び多くの人々の関心を集めています。この歴史ある船に光を当てる講演会が、2025年5月17日(土)、沼津・内浦地区センターにて開催。登壇者リストには、潜水調査を主導してきたSSIダイブセンター「スティングレイ・ジャパン」も名を連ねており、テクニカルダイビングに関心のあるダイバーにとっても見逃せない内容となっています。参加費は無料。一般の方からダイバーまで、どなたでもご参加いただける貴重な機会です。

スティングレイ・ジャパンはこれまで十数回の潜水調査を実施してきた
船には海藻などが固着し、多くの生き物たちの住処となっている

スカンジナビア号、その物語に触れる

今回の講演会では、4名の講師がそれぞれの視点からスカンジナビア号の魅力と歴史を語ります。まず登壇するのは、信州大学名誉教授・伊藤稔氏。「スカンジナビア号(ステラポラリス)の歴史と功績」と題し、この豪華客船の建造から戦後のレストラン船としての転身、そして海底への最期に至るまでの軌跡を紹介します。続いて、沼津郷土史研究談話会の長谷川徹氏が「船と歩んだ沼津の歴史」として、地域におけるスカンジナビア号の存在とその影響を掘り下げます。そして、「少年時代のスカンジナビア号との思い出」を語るのは、岸壁幼魚採集家であり幼魚水族館館長でもある鈴木香里武氏。最後は、スティングレイ・ジャパン代表でありSSI XRトレーナーの野村昌司氏が登壇。「海の底で静かに鼓動するスカンジナビア号の今」と題して、テクニカルダイバーとしての視点から、現地での潜水調査と沈船の現状を語ります。ダイバーにとっては特に見逃せない内容となるはず。


ダイバーにこそ聞いてほしい“深海のリアル”

水深72mという、レクリエーショナルダイビングの範囲を超えた環境に沈むスカンジナビア号。現在、スティングレイ・ジャパンを中心に、テクニカルダイビングによる本格的な潜水調査が進められています。野村氏がどのような安全対策とスキルでこの深海調査に臨んでいるのか、ご本人から直接聞くことができる、またとない機会。沈船の構造に迫るだけでなく、地域の人々の記憶に残る「思い出の船」として、文化的価値も見つめ直されているスカンジナビア号。沈船に関心のある方はもちろん、テクニカルダイビングに興味を持ち始めたダイバーにとっても、貴重なインスピレーションの場となるはずです。

開催概要

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